カラオケボックスの厳しい現状と小規模店のアイディア

カラオケブームだったのはひと昔・・・
今ではすっかりレジャー感覚が定着した。
カラオケボックスは供給過剰気味になり、大手が地方にも進出し、地元の老舗も厳しい現状だ。

さらに、大手は室料が安い。
カラオケボックスの経営となれば設備投資額が半端ない。
多額の投資をして、一時間100円程度の室料ではとても元が取れると思えない。

飲食代がメイン

大手は利益を上げるために、室料ではなくドリンクなどの飲食代で利益を上げる。
競争上、室料は安くしても原価が5割以下のドリンクなどで補うのがカラオケボックスの基本だ。
また、利用率の低い平日昼間などは空室を避けるために高校生等をターゲットに激安フリータイムなどもしている。

夜間でも激戦区では油断が出来ない。
不況で財布のヒモが固くなっているので、室料は安い方が望ましい。
人件費はホボすべてアルバイト。
大量仕入れによる食材原価を下げる努力もなされている。
結局のところ、薄利多売が出来る大型チェーン店が有利なのには変わりない。

Sponsered Link


小規模店の色々なアイディア

では、チェーン店以外の小規模な店舗はどのように生き残りをかけているか。
私の知るある店舗では、逆転の発想をしている。
いったいどんな企業努力かと思えば、人件費と廃棄される食材を限りなくカットする方法だ。
そのカラオケ店では、「持ち込みOK!家の見気分でカラオケを」と持ち込みを全面に出している。
利益を上げるはずの飲食を持ち込みされると、利益激減のようにも感じる。しかも室料もチェーン店より一時間が数十円高い程度だ。
客は、飲む人、食べる人にとっては飲食メニューが高いと一回のカラオケ代の総額が膨らんでしまう。
しかし、持ち込み自由なら安い飲み物、安い食べ物を買って持ち込めるので総額が安くすむ。
チェーン店で数時間歌い飲み食いすると料金が高額になる。
高校生達はお小遣いで飲み食いも大変なので、注文できてもドリンクバーくらいなものだ。

しかし、その店ではお菓子から飲み物まで自由に持ち込みOK!
ゴミは自分たちで片付ければ、持ち込み料もゼロ。
高校生はフリータイムを十分に活用しながら、財布に優しく楽しい空間を与えてくれるお店になっているのだ。

しかし、持ち込みOKでは店は儲かってないように思えるが・・・
まず、オーダーが少ない。厨房は一人で回せるので人件費は一人分。
しかも、オーダーの大半がドリンク(酒)だ。
持ち込みはしたが、飲みきってしまい飲み足らない酔い客がほとんどだ。
食べ物もメインは買って持ち込みして食べているので「つまみ」がよく出る。
よって食材は必要最低限、しかも冷凍保存がきく物がほとんどなので、廃棄も極僅か。

利益も少ないが、ロスも少ない。持ち込みOkの裏側にはそんな事情があったのだ。